【ワーク・エンゲージメントに関する実態調査】一般社員624名に聞く、ワーク・エンゲージメントの実態

約4割が仕事に熱意 仕事から活力を得ている約2割
【ワーク・エンゲージメントに関する実態調査】一般社員624名に聞く、ワーク・エンゲージメントの実態

皆さんはワーク・エンゲージメントという言葉をご存知ですか。「従業員の精神面での健康状態」と言い換えることもでき、仕事に対して前向きで満たされた心理状態のことです。ワーク・エンゲージメントの数値が高いほど、仕事に充足感を感じているというわけです。エンゲージメントとは、絆、愛着心、思い入れ、などを意味します。バーンアウト(燃え尽き症候群)研究で有名なオランダ・ユトレヒト大学のシャウフェリ(Wilmar B.Schau feli )教授によって、バーンアウトの対義語として提唱されました。なんだかいかにも日本人には不向きという感じがしますが、、、気になる調査結果が発表されています。

調査概要

(以下、株式会社リクルートマネジメントソリューションズの研究・開発部門である組織行動研究所による調査レポートから一部抜粋。)

日本の企業で働く人は、仕事に対してどのくらい積極的に向かい、活力を得ているのだろうか。
また、ワーク・エンゲージメントが高い状態を生み出すには、どのような組織的サポートが有効だろうか。正社員として勤務する20代~40代の一般社員を対象に実態調査を行った。
本調査は、300名以上の企業に正社員として勤務する20代~40代の一般社員が対象で、管理職は含まれない。性別、年齢層、職務系統がそれぞれ均等になるように回収した。有効回答数は624名である。

調査レポート目次

調査レポートまとめ

直近1年くらいのあなたについてお答えください。あなたは、次のことをどのくらいの頻度で感じていますか。<0:全くない〜6:いつも感じる/単一回答/n=624>

ワーク・エンゲージメントは、「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りややりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)の3要素が揃った状態とされている。ワーク・エンゲージメントの測定には、いくつかのよく使われる尺度があるが、今回はユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度の9項目版を使用し、活力、熱意、没頭の各要素3項目ずつについて、「最近1年くらいにおいて、どのくらいの頻度で感じているか」を、0:まったくない~6:いつも感じる、の7段階で聞いた。

約4割が1週間に1回以上の頻度で「仕事に熱心である」、3割強が「仕事に誇りを感じる」「仕事をしているとつい夢中になってしまう」と答えた。一方、「活力がみなぎるように感じる」「さあ仕事へ行こう、という気になる」は約2割だった。

9項目を平均したワーク・エンゲージメントのスコアは2.62(活力2.35、熱意2.92、没頭2.57)で、令和元年版「労働経済の分析」掲載の国際比較データと同様、他国の結果と比べて低い*1。性別、年代、職種ごとの平均点に有意な差は見られなかったが、この3属性をかけ合わせた24群別に見ると、スコアが高いのは営業職の20代男性(3.05)、40代女性(3.03)、低いのはサービス職の30代女性(1.98)、40代女性(2.33)であり、小さくない差が見られた。

仕事に熱心に取り組みすぎるあまりに心身が疲弊してしまうことへの懸念もあるだろう。そこで、本調査では、バーンアウトの実態についても尋ねることとした。

日本版バーンアウト尺度で使われる項目のうち情緒的消耗感に関する3項目を用い、ワーク・エンゲージメントと同様に最近1年間の状況を0:まったくない~6:いつも感じる、の7段階で尋ねたところ、「仕事のために心にゆとりがなくなった」「心身ともに疲れ果てた」と1週間に1回以上の頻度で感じている人は約4割だった。また、5項目の平均スコアは3.26で、ワーク・エンゲージメントのスコアよりも高い。バーンアウトは特にヒューマンサービス従事者に多く見られるとされるが、本調査でも職種別に差が見られ、サービス職でバーンアウトのスコアが高く、技術職、事務職では低かった。

*1 厚生労働省 (2019) 労働経済の分析―人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について―

(詳細はURL参照)

調査方法

・調査対象
会社勤務の正社員 
※勤務先の従業員規模は300名以上、管理職・役員・経営者は除く、勤務先企業での在籍期間は1年以上
※性別、年齢層(20代/30代/40代)、職務系統(営業/サービス/事務/技術)がそれぞれ均等になるように回収
・調査内容
どの程度仕事に熱中したり喜びを感じたりするか、またそれはどのような時か、どの程度仕事が面白くない、意味がないと感じるか、またそれはどのようなときか、仕事や職場・上司の状況、適応感など
・調査方法
インターネット調査
・実施時期
2019年11月
・有効回答数
624名
・回答者の属性
ー製造業25.6%、非製造業73.7%、その他・不明0.6%
ー従業員規模:300名以上1000名未満30.4%、1000名以上3000名未満20.5%、3000名以上5000名未満9.0%、5000名以上10000名未満12.5%、10000名以上27.6%
ー勤務先企業での在籍期間:1年以上3年未満16.2%、3年以上5年未満17.1%、5年以上10年未満28.5%、10年以上38.1%
ー未婚50.5%、既婚49.5%

調査元

〒141-0032
東京都 品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎 ウエストタワー7F
(登記上本社)〒104-0061 東京都中央区銀座8-4-17
TEL:0120-878-300 または 03-6331-6000
https://www.recruit-ms.co.jp

■組織行動研究所
株式会社リクルートマネジメントソリューションズの研究開発部門

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