二次データで調査のコストを抑える方法

マーケティングリサーチの費用を抑える手段のひとつとして、二次データを利用する方法があります。
ここでは、二次データとは何か・概要・注意点などをご紹介していきます。

二次データとは

二次データとは「自分以外の誰かが既に調査を実施して集めたデータ」のことをいいます。

二次データの中には国勢調査のように小予算では不可能な大規模・広範囲な調査から、
特定の業界にフォーカスした調査までさまざまなものがあります。

これらの調査データは一般公開されているものも多数ありますし、
無料で利用(閲覧)できるものも少なくありません。

二次データをうまく使えば、何から何まで自身でリサーチを実施して調べるよりも
調査コストを抑えることができます。

 

二次データのメリット

一番のメリットは時間と費用を節約できることです。

調査票を作る手間も不要でデータ収集から集計・分析まで完了済、
つまり自身で調査を行う必要が無いわけですから、その分コストカットできることになります。

また、調査の準備・実施にかかる時間も必要なく、
単に結果を利用すれば良いので時間短縮の意味でも大きなメリットがあります。

 

二次データから得られる情報

調査の参考情報として利用できる資料は無数に存在するわけですが、
そもそも二次データとして得られる情報にはどのようなものがあるのでしょうか。

代表的なものとして、以下のようなものがあります。

 

人口統計データ

性別、年代、職業などの個人の属性についての情報で、
「デモグラフィックデータ」などとも呼ばれるデータです。
実態を把握する”事実”情報として使えます。

 

心理的/ライフスタイルデータ

興味・関心やライフスタイルなどについての情報で、
「サイコグラフィックデータ」などとも呼ばれるデータです。
自社商品・サービスの顧客候補となる人たちの意識などを把握するための情報として使えます。

 

二次データの種類と入手先

ほしい情報を都度GoogleやYahoo!などで検索してもよいのですが、
以下のようなサイトを知っておくとより効率的にデータを集めることができます。

官公庁・公的機関の公開資料

総務省統計局
http://www.stat.go.jp/

総務省統計局のサイトです。
国勢調査、人口推計など、大局を知るために必要な情報が揃っています。

 

各リサーチ会社の公開資料

独自レポートとして自主調査結果を公表しているリサーチ会社もあります。

各ネットリサーチ会社のwebサイトのトップページやお知らせページなどを見ると、
そのような情報を見ることができるでしょう。

興味のある調査が継続的に実施されているようであれば、
自主調査結果が公開されたらRSSに通知されるようにしておくと便利です。

 

情報サイト

調査のチカラ
http://chosa.itmedia.co.jp/

アイティメディア社が運営する調査データのまとめサイトで、
日々新たな調査データについての情報がアップされています。

膨大な数のデータがあり、かつサイト内でキーワード検索もできますので、
二次データ探しにはうってつけです。

RSSに登録しておくと新しく公開された調査結果を一覧で見ることが出来て便利です。

 

二次データ利用時の注意点

ここまで二次データの良い点についてご説明してきましたが、反対に注意すべき点もあります。

 

調査時期

1点目として、その調査が実施された時期が古すぎないかについて注意しましょう。
特にIT関連の情報は変化が早く、使おうとした二次データが実質”賞味期限切れ”になっている可能性もあります。

 

調査目的/調査実施者

2点目として、その調査が実施された背景・目的、および誰が企画・実施した調査なのかにも注意です。
国勢調査のような公的な調査はともかく、民間の企業が発表する調査結果には何らかの意図がある可能性があります。
自社の商品の優位性を数字でアピールするために調査結果を発表しているケースもなきにしもあらずですので、
自身の調査のための参考としてどこまで信用するのか考えておくべきでしょう。

 

調査手法・アンケート回答者

3点目として、その調査が「どのような人にどのように聞いたアンケートなのか」にもご注意ください。
例えばネットリサーチで調査した場合、少なくとも「インターネットを使っている人」という暗黙の前提条件が付きます。

二次データを利用する際には、上記のような観点を意識しておくと大きな失敗をするリスクを減らせます。
# 更に細かく言えば「その調査の誤差」なども考える必要があるかもしれませんが、ここでは割愛します。

 

まとめ

一から十まで自身で調査を実施するとなると大きな予算が必要になってしまいますが、
必要な情報をある程度二次データでまかなうことができれば、その分調査費用の負担を減らすことができます。

もちろん調査データの内容が自分が知りたいことと完全には一致していなかったり、
情報として古くなったりしている可能性はあるのですが、参考情報としての利用価値はあるのではないでしょうか。

自分が知りたいと考えていることを他の人(組織・団体)が既に調査している、ということは珍しくありませんし、
上述のwebサイトなどを使えば大きな手間をかけずに情報を集めることができます。

二次データを活用して時間と費用を節約するという手段があることを、知っておいて損は無いでしょう。