新型コロナウイルスが消費者心理に及ぼす影響を、定点観測調査から分析

~ 休校要請で高まったのは「不安」と「憂鬱」、志村けんさん死去では「悲しかった」が急上昇 ~
新型コロナウイルスが消費者心理に及ぼす影響を、定点観測調査から分析

連日、新型コロナに関する暗いニュースが続きわたしたちの暮らしと体と心を脅かしています。何か明るい話題を話そうとしてもパッと思いつかない人も多いのではないでしょうか。状況は日々変化し毎日多くの情報が供給されますが、それらが消費者であるわたしたちの心にどのような影響を与えているのかを株式会社マクロミルが定点的に調査することを発表しています。一回きりの調査では見えづらいことも定点観測することで見えてくることがあります。

調査概要

(以下、株式会社マクロミルによる独自調査レポートから抜粋。)

生活者や企業を取り巻く社会情勢や環境は、緊急事態宣言による外出自粛や企業活動の縮小・停止など、刻々と変化しています。本取り組みは、マーケティングリサーチ会社である当社が果たすべき社会的な使命として実施するもので、こうした変化による影響をタイムリーに把握して分析し、毎月公開してまいります。
今回は、2020年4月第1週までの傾向について速報を発表します。

調査レポート目次

1・注目の話題やニュースは「新型コロナ」に集中
 3月4週目に「オリンピック延期決定」、4月1週目に「志村けんさん死亡」も
2・休校要請で高まった「不安」と「憂鬱」、志村けんさん死去では「悲しかった」が急上昇
3・景況感の低下、過去2度の消費増税時よりもさらに低下
4・1カ月先の消費予想は、2020年2月3週以降、連続して低下

調査レポートまとめ

図3 これまでの景況感DIの変化

注目されている話題やニュースを時系列に把握するため、自由記述回答をワードクラウド※1を用いて視覚的に示しました。直近1カ月はどの週も、「新型コロナ」のキーワードが中心で、3月4週目に「オリンピック延期決定」、4月1週目に「志村けんさん死亡」も挙げられました。

※1 出現頻度が高い単語を抽出し、その頻度に応じた大きさで図示する手法

生活者の「気分」の変化を、2019年12月から時系列で把握しました。年が明けた1月から「楽しかった」「わくわくした」「うれしかった」というポジティブな感情は下降トレンドで、「不安だった」「憂鬱だった」というネガティブな感情は新型コロナの報道と共に上昇トレンドとなっています。特に3月1週目に大幅な上昇を見せていますが、これは3月2日から始まった全国公立小中高校の一斉休校のタイミングと重なります※2。

※2 一斉休校開始は3月2日(月)、定点観測調査は毎週水曜に実施されており、その直後の調査が3月4日(水)

景況感(景気に対する印象)については、「現在の身の回りの景気(以下、「現況」)」と、「2~3カ月先の景気の見通し(以下、「先行き」)」を用いて、景況感DI※3を算出しました。スコアが50よりも大きければ景気が良い、50を下回れば景気が悪い、という判断になります(図3)。
過去2度に渡る消費増税では「現況」、「先行き」ともに大きく低下しましたが、今回の新型コロナの感染拡大では、そのスコアを大きく下回りました。

※3 今の景況感(現況)は「良い(100点)、やや良い(75点)、変わらない(50点)、やや悪い(25点)、悪い(0点)」、2~3か月先の景況感(先行)は「良くなる(100点)、やや良くなる(75点)、変わらない(50点)、やや悪くなる(25点)、悪くなる(0点)」とそれぞれ点数を与えた時の平均値

今後1カ月の消費増減予想を示す「消費マインド」は、スコアが50よりも大きければ消費が増え、50よりも小さければ消費が減るという消費者心理に基づく指標で、今後の消費全体の動きを予測することができます。「前年同週比(点線折れ線グラフ)」を見ると、2019年度は10月の消費増税直後に0.92まで下降しましたが、年末に向けて緩やかに回復しました。しかし、新型コロナの影響が日本国内で深刻化してきた2020年2月3週目以降は低下し続けています。

調査方法

定点観測データには、株式会社マクロミルが2011年から継続して実施し、週次の意識調査をもとにデータを取りためているMacromill Weekly Indexを使用します。調査対象は、全国20~60代の男女1,000名、国勢調査の人口動態の比率(エリア、性別、年代)に基づき割付を行っています。

調査元

本社
〒108-0075 東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー 11F
(代表)TEL:03-6716-0700 FAX:03-6716-0701
https://www.macromill.com

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