ネットリサーチの品質とは
マーケティングリサーチの品質は、アンケート調査で集めたサンプル(アンケート回答データ)の質に大きく依存します。
正確なデータが得られなければ、それを分析・加工しても正しいアウトプットを出すことはできません。
そしてネットリサーチ(インターネット調査)は、マーケティングリサーチの”アンケート回答を集める工程”をインターネット経由で行うものです。[参考:ネットリサーチの仕組み]
すなわち、ネットリサーチにおける品質とは”いかに正確で信頼のおける回答データを集められるか”という点にかかっています。
よって品質を考慮してネットリサーチ会社を選ぶのであれば、その会社がアンケートモニターから正確な回答を得るためにどのような取り組みをしているか?という点が重要になってくるでしょう。
では、具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょうか?
以下に代表的なチェック項目を挙げていきます。
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モニターの品質
– 全アンケートにかかわる品質管理 –
アンケートに回答する”アンケートモニター”は、そのネットリサーチ会社の品質を考える上で最も重要なもののひとつです。
モニターの品質については、例えば以下のような観点でチェックをしてみましょう。
- モニターはどのような方法で集められた人たちか?
- モニターはどのような人たちか?(アンケートモニター専用、何かしらのwebサービスの会員、スマートフォンユーザー etc.)
- 一人で複数のアカウントを登録をしているモニターがいないか?
- 悪質な回答をする不良モニターに対して対策を講じているか?
モニター品質は個別のアンケート調査に限った話ではなく、そのネットリサーチ会社のインターネット調査サービス全体に関わる話です。
品質にこだわりのあるネットリサーチ会社であれば上記のような点について把握・管理しているはずですので、webサイト上でモニター品質についての取り組み内容を確認する・問い合わせをするなどして、依頼前に不明点・不安な点をクリアにしておきましょう。
アンケート設問(調査票)内容へのアドバイス
– アンケート実施前の品質管理 –
ごくシンプルなインターネット調査の場合、ご自身でアンケート質問一式(調査票)を作成してリサーチ会社へ入稿するケースが多いと思います。
アンケートモニターがパソコンやスマートフォンで回答できるよう、この調査票をweb画面化していくわけですが、品質向上への取り組み姿勢のあるネットリサーチ会社であれば、より質の良いデータが得られるように質問文・選択肢の文言等について助言をくれます。(※)
アンケートは言い回しひとつで質問の意図の伝わりやすさが変わってくるものですし、自分が作成した調査票が必ずしも完璧な形になっているとは限りません。
本番のアンケート実施前に第三者視点でチェックしてもらえるという意味でも、このような指摘をくれるネットリサーチ会社の方が安心できるのではないでしょうか。
初めて依頼するネットリサーチ会社の場合には、見積りをとるタイミングなどで調査票内容へのアドバイスがあるか?を確認しておいた方が良いでしょう。
※)アンケート調査項目そのものの”設計”ではなく、”見せ方の改善”レベルの助言です。
web画面のシステム制御
– アンケート回答時の品質管理 –
アンケートに回答するのが人間である以上、質問・選択肢を勘違いしたり、パソコン・スマートフォンの操作誤りによっておかしな回答をしてしまうことはあり得ます。
例)Q1で商品Aを「買ったことがある」と答え、Q2ではその商品Aを「知らない」と回答する
ネットリサーチでは、このような明らかに矛盾する回答をした場合に、web画面上でエラーを表示して正しい回答を促すことも可能です。
どのような制御機能が利用できるかは各社のシステムやサービスの仕様によって違いがありますので、
- 自分が実施予定のアンケート調査で必要な機能が使えるのか?(機能があるのか?)
- その機能を使用するには別料金が必要なのか、それとも基本料金内で使えるのか?
といった点についてチェックしておきましょう。
可能であればネットリサーチ会社の営業担当者に”プログラムで制御してほしい機能も記載した調査票”を見せて、予算内で実現可能かを確認しておくと安心です。
データクリーニング
– アンケート実施後の品質管理 –
アンケートモニターの中には、始めからきちんと答えるつもりのない悪質なモニターが潜んでいる可能性があります。
このようなモニターの回答内容は、往々にして整合性のないおかしな回答としてアンケート結果に現れます。
こうした異常データをアンケート結果から除外したり、データを編集して整合性が合うように調整することをデータクリーニングと呼びます。
web画面での回答制御は”アンケート回答時の矛盾防止”でしたが、こちらは”アンケート回答後のデータに対する整合性合わせ“です。
web画面では制御できないような不正回答や、「アンケートを回答する段階では制御をかけたくない(自由に回答させたい)がデータの整合性合わせはしたい」といった場合にこのデータクリーニングが役に立ちます。
web画面同様、各社のサービスの仕様によってできること・できないことに違いがありますので、
- 依頼したいデータ編集(データクリーニング)が可能か?
- データクリーニングは別料金が必要なのか、それとも基本料金に含まれるのか?
といった点について確認をしておきましょう。