サンプルサイズの決め方

アンケート調査を実施するとき、いったい何人分の回答を集めれば良いのでしょうか?リサーチに慣れていない方は疑問に思うでしょう。ここでは、回収するサンプルの数(サンプルサイズ)の決め方をご紹介します。

基本的な考え方

サンプルサイズを決めるときには、まず「そのアンケート調査がどの程度の正確性を求める(誤差を許容できる)ものなのか?」という点がポイントになります。例えば「日本全国20代以上の既婚女性」のような”ターゲットとなる人全体(母集団)”の回答データと、そのうち”アンケート回答者としてピックアップ(サンプリング)した人たち”の回答データのズレ(標本誤差)をどの程度許せるかということです。では一般的な調査では許容誤差をどの程度に設定しているのでしょうか?アンケート調査の目的・都合にもよりますが「±5%」としていることが多いようです。 次に「どの程度の割合で、標本誤差が許容範囲内に収まるようにするか?(信頼水準)」という点を考えます。こちらも場合によりけりですが、通常は「95%」とすることが多いようです。これは「100回サンプリングしたら、そのうち95回は標本誤差が許容範囲内(例 ±5%)に収まる」という意味です。

サンプルサイズの算出式

上述の許容誤差や信頼水準の値などが決まっていれば、以下の計算式でサンプルサイズを算出できます。(式中の「回答比率」については後述)

サンプルサイズ計算式 (中略) ここでは、回答比率0.5、標本誤差は5%ポイント、信頼水準95%(λ=1.96)として必要な調査対象者数を計算します。調査に必要な対象者数は、 calcsamplesize_example となります。よって、この調査では384人の調査対象者から回答が必要となるわけです。   出典:『なるほど統計学園高等部 | 調査に必要な対象者数』

つまり、信頼水準 λ、 回答比率 p、許容できる誤差 d が決まれば必要なサンプルサイズが算出できる、ということになります。

早見表を使ってサンプルサイズを決める

サンプルサイズを考えながら都度計算するのは手間です。実務上は、以下のような早見表を使って適切なサンプルサイズを決めるのが早道でしょう。

サンプリング誤差早見表

調査設計におけるサンプル数(標本数/n)の導き出し方

出典:『R【第5回】定量的な裏づけ-標本数 | リサーチとロジカル&ラテラルシンキング | マーケティングリサーチの専門会社、KFS』

この早見表はどのように見るのでしょうか?例えば「信頼水準95%・許容誤差5%」は決め打ちとした上で、サンプルサイズを仮に200にしたとします。この場合、ある設問の回答比率が15%または85%だったなら、その設問の回答データ値は15%±5%(または85%±5%)、すなわち「10%〜20%(または80%〜90%)の範囲にある」ということになります(※)。 サンプルサイズを決めるときには、自身が行うアンケート調査の目的・都合を考慮して必要な精度を考えつつ、早見表で誤差を確認して数を調整・決定することになります。 ※)「回答比率」のパーセンテージを予め決められないときはどうすれば良いのでしょうか?その場合、回答比率=50%としておけば、最大限精度を高めることができます。ただし、その分必要なサンプルサイズが大きくなり、調査料金も上がる点に留意する必要があります。

調査費用とのバランスを取る

ネットリサーチの料金は主に設問数とサンプルサイズで決まります。調査データの誤差を抑えようとすれば必要なサンプルサイズが大きくなり、サンプルサイズが大きくなればなる程、調査費用も高くなっていきます。 上述のサンプルサイズの計算式によれば、回収サンプルの数 n は許容する標本誤差 d の二乗に反比例します。つまり、調査データの誤差を半分にするには、サンプルサイズを4倍にする必要があるということです。 サンプルサイズが4倍になった場合、どの程度料金が変わるのでしょうか?例えば30問の調査をネットリサーチで実施する場合を考えてみます。(価格は当サイトのネットリサーチ料金計算ツールで算出)

サンプルサイズが「100サンプル」の場合

ネットリサーチ料金ツールで30問×100サンプルの料金を計算すると、 価格帯:110,000円〜268,000円 平均:約182,500

サンプルサイズが「400サンプル」の場合

ネットリサーチ料金ツールで30問×400サンプルの料金を計算すると、 価格帯:210,000円〜424,000円 平均:約326,400円   この例では、100サンプルを400サンプルにすることで調査コストがおよそ2倍になりました。 アンケート調査実施に際して、通常は予算に限りがあると思います。したがって現実的には、サンプルサイズをいくつにするのかは「調査結果の精度・信頼性」だけでなく、「調査費用」とのバランスも考えて決めることになるでしょう。

さいごに

ここまでサンプルサイズの決め方をご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

  • ややこしくてイマイチよくわからない
  • 理屈はなんとなくわかるけど、今やろうとしている自分の調査ではどうしたら良いのか判断がつかない
  • 予算との兼ね合いが難しくてサンプルサイズを決めきれない

のように感じたかもしれません。 また、「クロス集計など分析軸毎のサンプル数をいくつにすれば良いのか?」など、上記で触れていないような視点も必要になることがあります。 実務上は、上述の早見表を使うなどしてだいたいのサンプルサイズを考えておき、最終的には専門家であるリサーチ会社に相談してしまうのが安心・確実ではないでしょうか。当サイトを通してご相談先のリサーチ会社をご紹介することも可能ですので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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